指示詞の面白い話

2019年8月3日

指示詞の面白い話

以前、指示詞の意味的な広がりについて、書いたことがありますが、時間の概念にまで、展開できるとは、最近、改めて、驚きました。皆さんとの授業は、私にとっても、勉強になります。

指示 やり方 数量 時間 場所
itu beg-itu seg-itu k-itu(x) s-itu
ini beg-ini seg-ini k-ini(x) s-ini
指示詞とその意味的な広がりに対応する疑問詞
apa bagaimana se-berapa k-apan di mana
  1. 今回の話題は、kiniです。私は、何回か授業で、kiniと出会いましたが、何かやはり、ini と関係あるのではないかと思いました。しかし、もし、それは、正しいとすれば、当然ながら、k-ituもあるはずですが、実際にはありません。

    この問題を解くには、実は様々な資料や考察が必要ですので、ここではあくまでも仮定的な話をしたいと思います。

  2. 疑問詞の話
    siapa は、si-apaから来るのではないかと思います。
    si cantik 可愛い子ちゃん
    si kembar 双子ちゃん要するに、『~さん』を表すために、si が使われています。

    昔は、(これは私の推測ですが、)、庶民には、『名前』の制度が無いので、結局、呼び名『何ちゃん』で、呼ばれます。

    従って、
    si-apa は 何ーちゃん で、現代語では、『誰』になっています。

    他の疑問詞は、
    meng-apa –>me + apa  なぜ
    ber-apa –>ber+ apa いくつ

    2.から、apaの前に、くっ付く接頭辞の種類によって、疑問の意味が変わる ことが分かりました。

  3. 時間的な要素の『k-
    k-apa-n は、k + apa(n) という風に解釈すれば、時間を表す『k-』が出来るのです。『これをインドネシア語における事実として証明するために、通時的な研究の資料が必要ですが、ここでは、仮定の話だということを改めて忘れてはいけません』従って、

    3が正しい事実のであれば、
    k-inik-itu が言えるのです。
    k-iniという語が存在するのですが、k-ituという語が存在しません。

  4. コトバは、一対一が基本。  時間は、『過去』『現在』『未来』という順番で、転々と転んで行きます。

    iniは、『話し手』の縄張り・意識の範囲内・行動範囲内のことを指します。

    ituは、『話し手』の縄張り・意識や行動の範囲の外にあるもの・ことを指します。

    k-iniは、sekarangと同じような意味で、使われています。つまり、『現在』のことを指します。しかし、インドネシア語の指示詞は、『内』と『外』しか区別がしないので、現在の外は、『過去』と『未来』を指すことになり、矛盾が生じます。従って、k-ituという語は、上記の時間の意識と矛盾しているので、存在しないのも当然である!

************************

注意:

上記のk-inik-apanの関係の話は、『言語学的』な手続きはしなかったので、実際に、あったかどうかは、まだそのような資料を見たことがありません。kiniというコトバを覚えていただければ、狙いなので、あまり、途中のお話を気にしないで下さい。

Posted by アルビー