初中級【coba,~】【~、coba】
■■■■■■coba■■■■■■
cobaという言葉は、「試す」という意味でよく使われていますが実は、これについて様々な用語があります。身につけてほしいです。
cobaの基本的な意味は「試す」です。しかし、そこから、文法化が起こり、少なくとも、次の2つの用法があります。
- 仮定法のマーク(記し)
coba,~文「だったらいいなぁ」
- 推定の要求
疑問詞、coba!「-と思う?」(guess wh-)
用法のネーミングは、私の用語で、難しそうですが、使い方はさほど難しくないのです。
- 仮定法のマーク
- Coba, saya datang lebih cepat.
私 来る より 早い
私はもう少し早く来たらなぁ。(電車に遅れないのに)
《場面》今は、電車に乗り遅れた。しかも、遅れることは、時給の半分カットを意味する。
- Coba, saya belajar bahasa Indonesia dari dulu.
私 勉強 インドネシア語 から 前
私は、ずっと前からインドネシア語をやればなぁ。(今は、あの可愛いインドネシア人と話せるだろう)
《場面》インドネシア人の女性とカラオケパブで会って、片言のインドネシア語だけで色々楽しいことが出来たりして、もし前からずっとインドネシア語をやれば、もっともっと伝えられることが一杯あるのに
- Coba, ada dia.
ある 彼
彼女がいたらなぁ(こんなに大変な目に合わなくてもすむだろう)
《場面》わがままな自分がいて、旅行の手配は、いつも友達がやってくれた。今回は、自分で全部やらなければならなくて大変。
- 【解説】
- cobaの代わりに、andaiを使うことが出来ますが、cobaを使うと、直接今の現状と結びついて、かつ、今の状態は、話し手にとって好ましくないことをあらわす仮定法のマークです。
例文:
- イントネーションに気をつけて下さい。
- Coba, saya yang masak.
私が料理してたらなぁ(こんな不味いものを食べなくてすむのに)
baのところを高く引き上げればOKです。
- 大学で、cobaの文法化について、共時的に論文を仕上げるつもりですが、面白いです。仮定(if I were…文)は、現実の世界ではない世界を仮定(想像して創造する)する思想活動です。新しいものを作るには、試行錯誤の連続が必要です。色々coba-coba(試す)ことが重要ですので、cobaがandaiにしのいで、使われるようになるのではないかと思います。
【練習】次のインドネシア語を訳して、可能な場面を考えて下さい。
- coba, ada uang.
- coba, dia itu pacarku.
- coba, Bali itu ada di Jepang.
語彙:
uang お金
dia itu あの人
pacar 恋人
-ku 俺の
疑問文の主な目的は、相手から情報を聞くのです。しかし、疑問詞+coba を使えば、話し手は、既に答えが分かるのです。基本的に、謎々(teka-teki)のゲームをする時によく使われるので、覚えてほしいです。
- 例文:
- Barang ini dari siapa,coba?
この品物は誰が送ってくれると思う?
barang 品物・モノ・荷物
siapa 誰 - Ini buku apa,coba?
これは、何の本だと思う?
buku 本 - Negeri Sakura itu ada di mana, coba?
桜の国ってどこにあると思う?
negeri 国
- 【解説】
- 上記の意味は、基本意だとして、会話の中で、様々な使われ方があります。例えば、相手は、少しあきれた真似をする時に、apa,coba?と言って、相手に悟らせるのです。しかし、これは、別に強い言い方ではなく、むしろ、相槌としてよく使われています。
A:Bi,bi, coba lihat foto ini. Lucu,kan?
ねね、アルビー、この写真を見て、面白いでしょう。
B:Apa,coba.
君ったら。(変な真似ばかりしてやがって)
◎◎◎◎◎◎ FIN ◎◎◎◎◎◎
戯言:
高校物理学オリンピックの特別訓練の時に、バンドン工業大学の物理学の先生は、こう言ってくれた。
「一般の人が分からないような用語ばかりで、物理学の現象を扱うと、実は、本質が分からなかったりすることもある。従って、諸君は、何かある現象を説明する時に、出来るだけ、「人間」の言葉で語りなさい。さもないと、諸君は、ただの卑怯者に過ぎないのです。分からない時に堂々と分かりませんと言い、しかし、分かってても、相手が分かる範囲から上々に説明するのです。」
本質の分かっている人に師事すると、実は難しいことは無いと思います。皆さんは、あることに挑戦して、中々出来なければ、皆さんの師を少し「疑う」方がいいのです。
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