ter-(1)日本語の『~している』の意味

2019年7月13日

ter-(1)日本語の『~している』の意味

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序論

ter-について、様々な説明があります。その中で、Bataone先生の教科書が一番詳しいそうですが、中をのぞいて見れば、『完了』、『可能』、『状態』という意味があると書いてあります。しかし、中級・上級の学習者には、『どのような場面に、どのような時に、ter-が(完了)(状態)(可能)の意味になるのか』という疑問が生じたそうです。また、それぞれの意味は、どのような関係があるのか という疑問も見られます。

  逃げでもあるかもしれませんが、実は、ある言葉を習得するために、『時には、不要な疑問を殺すこと』も、大切な技です。今回は、『母語』を顧みることで、不要な疑問を『鎮圧』することが出来たらと思って、今回の記事を書きました。また、当然、今回の記事を踏まえて、用語を何回も再整理する必要があるので、いくつかの部分に、分けて、書きたいと思います。

  そして、本日記は、論文では無いので、論理的な欠陥が指摘されたら、途中で、コメントとして、直します。誤りが誤りとして、自分の教訓になるように、再編集は、出来るだけしません。

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『動き』『動作』は、動詞で、表されます。また、動きは、時間の流れの中で、展開されるが、その動きをどのような姿で、とらえるか、ということにかかわる文法的なカテゴリーを『アスペクト(相)』と言います。

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    『~している』は、継続相と言いますが、三つに分かれています。

  1. 動作の継続
  2. 変化の結果の継続
  3. 語幹が、単独で、使えない
      【解説】

    1. 英語の『be + -ing』に相当する、進行形のことを言いますが、例えば、
      1. 田中は、今、部屋で、勉強している。

         Tanaka, sekarang, sedang belajar di kamarnya.

                  baru

                  lagi

          主語  時間副詞 助動詞 動詞  前置詞句

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      2. 花子は、着物を着ている。◆

         Hanako sedang memakai kimono.

                baru

                lagi

          主語  助動詞 動詞  目的語

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        (注:)この類の『~している』は、インドネシア語の助動詞の『sedang』『baru』『lagi(口語)』『masih』で、表すことが出来ます。

    2. 英語の『be + 過去分詞ed』に相当し、インドネシア語の『ter-』の意味に近いのです。
      1. 花瓶が割れている。

         Vas bunganya pecah.

           主語        動詞

      2. 花瓶が間二つに割れている。

         Vas bunganya terbelah dua.

           主語       動詞   数詞

      3. 花子は、着物を着ている。

         Hanako berkimono.

         主語     動詞

    3. 上記のaとbでは、『~している』を取れば、『動き』の意味がまだ残っていますが、下記の『語』では、『終止形』が『動き』を表していません。

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      1. 太郎は、小金井市に住んでいる。

         Taro tinggal di kota Koganei.

         主語  動詞  前置詞句

        cf.

         Taro lives in Tokyo.(受験生は、よく is living と答える)

        (注:)

        tinggal』の中に、既に『状態』の意味が含まれていて、分解できないのです。『住む』には、『動き』の意味がもはや無くなるのです。あるとすれば、『住み着く』という複合動詞を使用しています。その時に、インドネシア語に正確に訳せば『menempati』『-tinggali』などの『i』動詞を使います。

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      2. 目の前に、高いビルがそびえている。

         Di depan mata, menjulang(lah) gedung-gedung yang tinggi.

          前置詞句      倒置me-動詞    主語

       

      (注:)

      上記の文では、ter-ではなく、me-動詞を使っています。実は、me-動詞も、『働きかけ』の他に、『変化』をも表していることに注意してください。

       また、インドネシア語的に、7.の文は、『ある場所から出て、見上げていたら、パッと、頂点が見えなくて、あたかも、はるか彼方の空まで、目の視線を運ばないといけない』ということから、変化の『me-』を使っているのです。

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    まず、ここで、一旦、結論を出したいと思います。

    ~している』に対応する『インドネシア語』は、

    1. 助動詞の『sedang』(進行形)
    2. 動詞そのもの   (結果状態)
    3. 接頭辞の『ter-』 (結果状態)
    4. 接頭辞の『ber-』 (着用・装着)
    5. 接頭辞の『me-』  (変化)

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    《研究》

  • 上記の『そびえている』の『そびえる』をgoogleに入れたら、最初のページに、『終止形』が殆ど無い(全部調べて尽くしていないので、断定は出来ません)のです。『そびえる巨塔』などの連体形が多いそうです。

  • また、自動詞の『~える』は、古典語のヤ行の『~ゑる』(yeru)から来ると思われて、『~ゆ』(yuru)の『可能形』です。古典語辞書を調べたら、『そびゆ』という語がやはりあって、『自動詞』と言う意味で、動きが無いのです。

  • ここで、言いたいのは、『状態』と『可能』とは、実は、関係が近いということです。

    ★折れる。–>折ることが出来る。

         –>折られる性質がある。

         –>折ることの出来る状態にある。

    ★可能 の意味の中で、

    • 実現
      1. ちょっとだけだけど、インドネシア語でArbeeと話せて良かった。

          Arbeeとインドネシア語で話すことが現実となり、それは、良かった。

          Walaupun hanya sebentar,saya senang sekali bisa berbicara dengan Arbee.

    • 能力
      1. 太郎は、インドネシア語が話せる。

          太郎は、インドネシア語で、モノ事を表現する能力がある。

          Taro mampu berbicara dalam bahasa Indonesia.

■ここでの結論として■

状態 と 可能 は、意味的に、密接に関係していることが分かりました。また、言語によっては、『それぞれの意味』に対応して、形が異なることもあれば、同じ形を使うこともありますので、注意して勉強して頂ければ、インドネシア語ライフは、もっと楽しくなるのではないかと思います。

Posted by アルビー